「『働きやすい鳥取県』を推進するシンポジウム」を開催しました
2019年3月にダイバーシティ・コンサルタント養成講座(大阪)を受講した河野(かわの)です。普段は、鳥取県庁職員、中小企業診断士として企業の経営支援に携わっています。
当県では2019年12月16日、「『働きやすい鳥取県』を推進するシンポジウム」を連合鳥取・鳥取県経営者協会・鳥取県地域活性化雇用創造プロジェクト推進協議会(注)、鳥取県の4者にて開催しました。「働きやすい鳥取県」とは、「多様な人材が活躍できる環境づくり」と「生産性向上」が両立することであると私たちは考えており、シンポジウムでは「ダイバーシティ経営」をテーマとしました。
基調講演では、女性・シニアの活躍により好業績を続けられている三州製菓株式会社(埼玉県春日部市)の斉之平伸一社長に、Peter Ferdinand Drucker・渋沢栄一・松下幸之助の「人」を尊重する経営手法を理念としながら、「一人三役」などによりダイバーシティ経営を進められてきたことを、わかりやすく丁寧にご紹介いただきました。
パネルディスカッションでは、JDIO油井文江専務理事をコーディネーターにお迎えし、県内公労使の関係者が取り組み紹介、意見交換をしました。油井専務理事には、ダイバーシティ経営の重要性を紹介いただいた後、各パネリストへの取り組み状況に対して的確なコメントをいただきました。斉之平社長からは講演内容の補足や各パネリストのお話に対するご感想をいただきました。リバードコーポレーション株式会社(鳥取県鳥取市)の山崎達哉執行役員からは、えるぼし認定(三つ星)の取得など女性活躍や社内風土の改善と生産性向上の両立についての実践事例を、連合鳥取の田中穂事務局長からは、現況のほか今後の外国人活用に向けた労の立場でのお考えをそれぞれ紹介していただき、私(河野)からは当県のダイバーシティに関するデータの紹介や今後の希望をお話しました。
あっと言う間に終わってしまいましたが、「大変よくわかった」「県内にも実践事例が多数あるのを知ることができた」など、参加者から好評をいただいたようです。当日の様子は、【参考】のURLもご参照ください。
鳥取県は女性の就業率が比較的高い、「M字カーブ」の窪みが全国で一番浅いなど、女性の労働に関しては進んでいる面もありますが、ダイバーシティ経営の考え方の浸透はまだまだこれからだなあと感じる場面もあります。今回のシンポジウムは女性が中心でしたが、高齢者・障がい者・外国人も含む、様々なダイバーシティが活かされる社会になるよう、積極的に働き掛けていくとともに、事例の紹介、取り組まれようとする企業の実践をコンサルタントとして支援していきたいです。
(注)2017年に厚生労働省の「地域活性化雇用創造プロジェクト事業」の採択を受け、「観光」「食」「健康」分野のサービスイノベーションにより良質な雇用の場を創出するため、経営力強化と正規雇用拡大を目指す企業等を支援しているプロジェクトを進めている。
【参考】「働きやすい鳥取県」を推進するシンポジウム開催!2019.12.16